携帯したい応急用具リスト

登山に必要な応急用具リストを確認し、「自分に本当に必要なものは何か」を考えながら、自分専用のファーストエイドキットを作成しておきましょう。

応急用具は、防水性の袋にまとめて収納し、すぐに取り出せる場所に保管するのが理想的です。また、使用期限のあるものは定期的に点検し、期限が切れる前に新しいものと交換しましょう。

🩹 登山向け救急用品チェックリスト


登山における不測の事態への備え

大自然を満喫できる登山ですが、予期せぬ事故や体調不良のリスクは常に存在します。落石や滑落、天候の急変による低体温症、あるいは不注意による捻挫など、経験豊富な登山者でも例外ではありません。

備えあれば憂いなし

大切なのは、「もしかしたら」という意識を持つことです。適切な装備の携行、無理のない計画、そして自身の体力に見合ったルート選びが不可欠です。また、単独登山は避け、信頼できる仲間との行動を心がけましょう。緊急時のために、家族や友人に計画を共有することも重要です。

冷静な判断が命を守る

もしもの時には、冷静な状況判断が求められます。日頃から知識を習得し、いざという時に落ち着いて対処できるよう、心の準備をしておくことが安全な登山に繋がります。山は私たちに感動を与えてくれますが、常に謙虚な気持ちで向き合うことを忘れないでください。

登山時の代表的な症状


高山病

  • 症状: 頭痛、吐き気、めまい、倦怠感など。
  • 対処法:
    • 登山を中止し、安静にする
    • 標高を下げる(最も有効)
    • 水分補給・保温
    • 軽症なら鎮痛剤・吐き気止めを服用
    • 悪化時は速やかに下山
  • 応急用具: 鎮痛剤、胃腸薬、体温計、経口補水液

熱中症

  • 症状: めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、体温上昇、意識障害。
  • 対処法:
    • 涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめる
    • 首や脇、足の付け根を冷やす
    • 意識があれば水分・塩分を補給
    • 意識がない場合は救急要請
  • 応急用具: 冷却材、濡れタオル、経口補水液、塩分補給タブレット、体温計

切り傷・擦り傷

  • 症状: 出血、痛み。
  • 対処法:
    • 流水で洗い清潔にする
    • ガーゼで圧迫し止血
    • 消毒して絆創膏で保護
    • 深い場合や止血できない場合は受診
  • 応急用具: 絆創膏、消毒液、手袋、ハサミ、ガーゼ

捻挫・骨折・打撲

  • 症状: 腫れ、変形、激しい痛み。
  • 対処法:
    • 患部を動かさないようにする
    • 冷やして腫れを抑える
    • 包帯や副木で軽く固定
    • 骨折が疑われる場合は早急に受診
  • 応急用具: 伸縮性包帯、副木、湿布、鎮痛剤

虫刺され・蛇咬傷

  • 症状: かゆみ、腫れ、痛み、重症時は呼吸困難や意識障害。
  • 対処法:
    • 刺された部位を清潔にし、薬を塗布
    • 蜂の針はピンセットで除去
    • 蛇に噛まれた場合は安静・受診
    • アナフィラキシーの兆候があれば即救急
  • 応急用具: 虫刺されの薬、ポイズンリムーバー、抗ヒスタミン薬

低体温症

  • 症状: 震え、判断力の低下、意識混濁。
  • 対処法:
    • 濡れた衣服を脱がせる
    • 毛布やエマージェンシーシートで保温
    • 温かい飲み物・行動食を与える
    • 意識がなければすぐに救助要請
  • 応急用具: 防寒着、エマージェンシーシート、カイロ、温かい飲料

脱水症状

  • 症状: 喉の渇き、疲労感、頭痛。
  • 対処法:
    • 涼しい場所で休む
    • 経口補水液・水を少量ずつ摂取
    • 塩分補給も行う
  • 応急用具: 経口補水液、塩分タブレット

凍傷

  • 症状: 感覚の麻痺、皮膚の白化、水ぶくれ。
  • 対処法:
    • ぬるま湯(38〜42℃)で患部をゆっくり温める
    • 摩擦したり、直火で温めたりするのを避ける
    • 一度温めた患部が再凍結しないように注意する
  • 応急用具: 保温手袋、靴下、温飲料、包帯